税務調査のとき原則として貸金庫は見せない

税務調査にきた調査官が必ずと言っていいほど貸金庫の中を見たいと要求してきます。しかし貸金庫の中には誰にも見られたくない書類など税務調査にはまったく関係のないものが入っていることも多いのではないでしょうか。

 

他人に見られては困るものを入れているときに税務調査だからと言う理由だけで貸金庫を開けて誰かに見られてしまうことは絶対に避けたいと思うのは当然です。

 

ここで貸金庫を開けるのは困るという表情をすれば中を調べるために貸金庫を開けるように要求してくるでしょう。しかし貸金庫を開けるように要求されても落ち着いて冷静に対応してください。

 

貸金庫を開けたくないのであれば毅然とした態度でお断りしてよいのです。きちんとした理由がない限り納税者の承諾もなく貸金庫を無理やり開けることはできません。

 

一般的にも貸金庫は人に見せるために利用しているものではありません。貸金庫の中のものが税務調査に不可欠なものであるかどうかの判断は納税者ができることです。

すべての納税者が罪人なのか

税務調査には関係ないため貸金庫は開けないと答えても、関係のあるなしは調査官が判断すると言って開けるように要求してくるでしょうが、それでもなお開ける必要はありません。

 

貸金庫を開けるように要求されるのが当たり前であれば納税者のすべては疑われる立場ということになります。しかしそれでは税務調査ではありません。貸金庫を開けるのが当然であればもはやそれは捜査であり、質問検査権の権限を逸脱していることになる言えるのです。

 

どうして貸金庫の中まで調査する必要があるのか納税者を納得させられる理由を説明した場合に限ってなら、かつ納税者が貸金庫を開けることを承諾したときだけに税務調査で貸金庫を開けて中を見ることができるのです。

開けなくていいのは貸金庫だけではない

また、開けるように言われても開けなくていいのは貸金庫だけに限った話ではありません。机の引き出しやロッカー、さらにレジなどについても同じことが言えるのです。

 

どうしても調査官が金庫や机の引き出し、ロッカーなどを開けるように要求し続ける場合は、中に何が入っているのかを伝えるのもいいでしょう。あるいは見せる必要があるものだけを取り出して見せるようにしましょう。

税務調査は捜査ではなく調査である

税務調査の際にはこうした対応を念頭においたうえで誠実な納税をしている納税者にとっても納得のいく税務調査にする意識を持ちましょう。