会社というものは存在するだけでコストがかかります。代表的なコストが税金で、所得に対して課税される法人税や消費税などは売上のない会社には発生しませんが資本金額や従業員数などで課税額が決まる法人住民税などは納税義務が発生します。

 

売上がゼロであっても会社として存在していれば一定額の税金は徴収されるので、不要な会社は休眠させるか精算する必要があります。きちんと手続きしないと余計な負担が発生し続けるのですみやかに対処しましょう。

会社を休眠させる

存在を継続させながら会社としての活動を停止する手続きを「休眠」といいます。

 

休眠会社の扱いは自治体によって異なりますが基本的な手続きとしては財産を整理してから一切の事業活動を停止し役所へ届け出を提出する、という流れになります。

 

休眠が認められると均等割で計算される法人税が課税されなくなります。社会保険に関する手続きも必要で「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を管轄の年金事務所に提出し資格喪失手続きを済ませます。

会社を解散する

会社を終わらせることを解散といいます。解散手続きが完了すると会社は社会的に消滅します。

 

納税義務も消滅するため余計なコストも発生しませんが、会社として受けていた認可や許可なども同時に無くなります。再び事業を始めるために配置から新たに会社設立手続きを進める必要があるので、事業を再開する予定がある場合は休眠会社の解散は慎重に検討してください。

解散時に必要な財産整理

会社を解散するときに必要になるのが財産の整理です。所有する財産や負債を放置して会社を解散することはできず、財産を整理してからでないと解散は認められません。債権者への弁済を完了してもなお残る財産を残余財産と言い、残余財産は株主に当分に分配します。

 

残余財産に関する手続きをしないと会社は解散できません。残余財産が確定した事業年度にも法人税計算を行いますが、年度をまたぐ場合は残余財産の確定まで解散日の翌日から1年ごとに申告が必要になります。清算が完了したら残余財産確定事業年度の申告をあらためて行い解散手続きが完了します。

分配された残余財産と確定申告

株主として分配を受けた残余財産は納税対象なので確定申告する必要があります。分配された残余財産のうち一定金額についてはみなし配当として扱われ、確定申告では配当所得として申告します。みなし配当には20.42%が源泉所得税として徴収されます。

 

分配金からみなし配当をひいた金額は株式の譲渡対価として処理されるので株式の取得金額を差し引いた金額が株式譲渡損益として課税対象になります。